『この本にはカバーをかけないで下さい』

「趣味は読書です。」「読書家です。」と言えるほどではないが、本を読むのが好きだ。
モノを書く仕事をしたいなら、たくさん読まねばとも思う。
ただわたしが選ぶ本には偏りがある。

ミステリー、サスペンス 80%
自伝、エッセイ 15%
歴史物 5%

こんなところ。
特に恋愛小説は読んだことも手に取ったこともない。その理由はまた今度書くとして。

圧倒的にミステリーやサスペンスが多い。
次のページを早くめくりたくなるあの感じが好き。

電車で読むことが多いが、あまりに先が気になると最寄駅で降りずに乗り過ごしてまで読み進めることもある。
せっかちな性格から結末を先に読んでしまうこともある。これは作者の方には大変申し訳ない読み方をしている。
物語の見せ場でもある結末を先に読んでおいて、その過程を「あぁ、結果こうなるからね」と心の中で思いながら読むなんてミステリー小説を読む資格がないようにも思う。

でもわたしは本を読むのが好きなのだ。

わたしは周りの目を気にするタイプではないので、電車で人に「あの人こういう本読んでるんだ」と思われても構わない。
ただ汚れてしまうのは嫌なので、本のカバーはかけてもらうことの方が多い。
でも、本のカバーはわたしにとって絶対ではない。

星野源さんが今ほど爆発的な人気を誇る前に(とは言っても充分に売れていらしたが)「蘇る変態」という本を買った。とてつもなく面白い本だった。

その時ばかりはタイトルのあまりのインパクトに店員さんの「カバーかけますか?」の問いに、力強い「はい!」を言った記憶がある。

「星野源さん=変態」の本が
この本を初めて見た人からしたら
「わたし=変態」になりそうなタイトル。

別に変態と思われてもいいが、電車でもしも子供がこの本を見て「ママ、変態ってなに〜?」となるとお母さんが困ってしまうタイトル。

いや、別にそこまで考えてカバーをしてもらったわけではないが、本のタイトルというのは大切なんだなと思う。

タイトルや表紙に惹かれて購入するときもある。
ジャケ買いというやつだ。
CDを買う時によく聞く言葉だが、本のジャケ買いをする人も少なくないと思う。

それなのに大半の人がわたしのようにカバーをかけてもらっている。
惹かれたはずの表紙を隠している。

もしもカバーがなくなるか透明なものになってみんな自分が買った本をオープンにしたら、電車の中は小さな小さな本屋さんにならないか?
「あの本が気になる、買ってみよう。」とか。

今の時代、本を読んでいる人より圧倒的に携帯を触っている人の方が多いし、電車の中で他人が何をしているかなんて見てない人がほとんどなので、小さな本屋さんにはならない。わかってる。

ただもしもわたしが本を出版するなら、元々透明のカバーをかけた状態にしてカバー不要にするか、いっそのこと『この本にはカバーをかけないで下さい』というタイトルにして他人にオープンにして読んでもらいたい。

それを見た人が1人でも興味を持ってくれて、買ってくれれば万々歳だ。
そうやって芋づる式にたくさんの人が買ってくれればこりゃまた万々歳だ。


まっ『この本にはカバーをかけないで下さい』なんてタイトルの本には全く惹かれないのだが。

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Ton.Sakota